紛失状には四つの場合がある

平安時代から室町時代にかけて「紛失状」と呼ばれた文書があったようです。次の四つの意味があったとのことです。

一、文書は存在するが、その存在を否認する為めに新規に文書を作つた例

二、文書は存在するが、その存在を否認する為めに、案文に正文同様と見做すべき處置を加へた例

三、文書が確かに亡失したので、その要項を一つの文書に記載して新しく文書を作成せる例

四、文書が確實に亡失したので、それに代る文書として、案文を以て正文に成り代るものとして作成せる例

 このうち、二と四に文書の伝来する機縁が認められるとのことです。