手継の證文から重書の譲状へ

第三章 第四節 第二項 古文書の価値の変化 です。

室町時代の社会の変動で武家の手継の證文の効力が失われ、不知行の文書が多くなったとのことです。

これと並行して権門勢家社寺の重書も同様となりました。

このような重書證文は、紛失があると紛失状が作られていたが、戦国時代の中頃天文頃をもって終わりを告げたとのことです。

武家ではこれに代わり家の血統を示す重書を尊重するようになったということで、天正十年の吉川元春が子元長に家督を譲ったときの覚書が挙げられています。