東大寺、醍醐寺の古文書整理

第三章 第四節 第三項 古文書の史料としての尊重とその整理 です。

近世江戸時代において、一古文書を所持している者が如何に取り扱ったか、二幕府始め諸家諸人が史料として如何に利用したかを見ていく、一については、近世以前のことも示し近世に及ぶこととする、そうです。最初に挙げられたのは

諸社寺伝来古文書の整理 です。

まず東大寺東南院文書。奈良時代からの文書を平安時代仁平年間に整理をおこなっていて、この時作成した古文書の目録が伝わっているそうです。目録に挙げられてた古文書は多数が散佚し、半数は伝わっていないのではないかとされています。

次に醍醐寺。文治年間に同寺の僧慶延が撰した醍醐雑事記(慶延記)。当時文書が多くあり出納に便利を図るためにこの目録を作ったようです。この目録に挙げてあるものが現存していないことはかえすがえすも残念な次第と嘆かれています。