個人が作った古文書集

個人が作った古文書集。

水戸の小宮昌秀(楓軒) 楓軒文書纂

大坂町奉行を勤めた新見淡路守正路 賜蘆文庫文書

伊勢の御巫(みかなぎ)清直 徴古文府、輯古帖

常陸土浦の色川三郎兵衛 古文書集

以上は、所蔵者別に収めたものです。編年体としては、

土佐の奥宮正明 土佐国蠧簡集残篇

が挙げられるが、これは元から編年体だったのではなく、所蔵者別のものが出来ていて、これを改編したもののようです。

薩摩の伊地知季通 舊記雑録

父季安の遺業を継いで弘化嘉永の間に編集された編年体の古文書集です。廃仏毀釈や明治初年の兵火のため、仏寺関係の古文書がほとんど失われたのですが、この古文書集によって辛うじてこれをうかがうことができるのです。島津家に上った分は、舊記雑録といったが、内閣修史局に寄せたものは、薩藩舊記と称し、今内閣記録課に架蔵されている、とのことです。

紀伊和歌山の山中信古(松窓) 南狩遺文

南朝に関する古文書を編年体に編次したもの。

中世以来古文書本来の働きに依つて傳はつたものが、室町時代末期時勢の變化に遭つて、本来の意味を失ふに至つたものも生じたが、やがて江戸時代になると、總べての古文書に、正確な史料となる性質が認められ、今こゝにいふ各方面に於ける活用とはなつたのである。

これで第四項 史書地誌の編纂と古文書の活用 は終わりです。