京都の臨済宗の寺院が伝える古文書

京都に於いて天台・真言に次いで多数の古文書を伝えるのが、臨済宗

五山においては、南禅寺、同塔頭金地院、相国寺天龍寺、同塔頭妙智院、東福寺、同塔頭海蔵院、同栗棘庵(りっきょくあん)、建仁寺塔頭両足院などにあるが、相国・建仁両寺のものは極めて少ないとのことです。東福寺に関しては、夙(はや)く前田侯爵家の所蔵に帰しているものがあります。

臨川寺等持院慈照寺にもあり、鹿王院、長福寺、正伝寺には重要なものが多いそうです。大徳寺妙心寺にも多く、特に大徳寺には禅宗寺院中最多の約5,000通も所蔵しているそうです。同寺塔頭徳禅院にも、多く伝わったが現在は本山の文書にまとまっているとのこと。同真珠庵にも多数伝わり、大仙院はじめ各塔頭に蔵しているそうです。妙心寺龍安寺、山城薪(たきぎ)酬恩庵も文書を蔵しています。

京都には臨済宗に属した尼寺に古文書を伝えているものがあります。寶鏡寺、大聖寺、曇華院、林丘寺、特に寶鏡寺に室町時代以来の古文書が多いそうです。元は真言宗、今は曹洞宗宇治郡禅定寺には、平安時代からの古文書を多く伝えているそうです。