大和に入ります。南都七大寺(東大寺・興福寺・元興寺・大安寺・薬師寺・西大寺・法隆寺)の中で古文書を多数伝えています。
東大寺。塔頭東南院、尊勝院に分かれて伝わっていたが、東南院の主なものは明治半ばに皇室に献納し、今は正倉院に東南院文書として伝わっているとのこと。東大寺の文書は御物、寺蔵、寺外散佚のものを合わせると10,000通に及び、醍醐寺・高野山と共に、東寺に次ぐ多量の古文書が伝わっています。
興福寺。古文書よりは、塔頭大乗院に伝わった寺社雑事記などの記録が有名。
法隆寺。東大寺に次いで多くの古文書を伝えている。奈良時代の古文書など主なものは明治の初年に皇室に献納。今伝わるものは平安時代中期以後のもので、なかでも室町時代のものが多い。
大安寺。大安寺旧蔵といわれる遠江平田寺の聖武天皇勅願文は、「天皇御璽」の内印が捺してある最古のもの。なお、大安寺の縁起資財帳は、大和正暦寺に伝わっている。
大和に於いては、他に、般若寺、額安寺、榮山寺にも伝わり、なかでも榮山寺には平安時代中期以降の寺領に関する貴重な古文書が伝わっている、とのことです。