数千通以上を伝える近江朽木谷の朽木氏

東山道地方です。

近江。小佐治、山中氏。高島郡朽木谷の朽木氏、数千通以上、いま内閣記録課所蔵。

美濃、飛騨。なし。

信濃下伊那松尾の小笠原氏は、越前勝山藩主となって伝えている。水内郡の市河氏の文書は米沢に移り、さらに酒田本間家の所蔵となっている。

上野。由良氏、江戸時代にまとまっていたが、散佚、一部は東京帝国大学へ。正木氏のものは、いま新田男爵家の所蔵となっている。

下野。長沼小山の皆川氏は、散佚。那須氏。喜連川氏は古河公方家の古文書を伝えていたが、一部は豊後に移っている。市河・皆川両氏の古文書は、東国地方稀に見る立派な武家古文書である。

陸奥。結城氏、石河氏、上遠野氏、相馬氏、伊達氏、南部氏、留守氏、新渡戸氏、奈良氏、なかでも仙台の伊達氏のものが多い。

出羽。米沢の上杉家のものが多く、その家臣、色部氏、毛利安田氏、中條氏、村山氏など越後より随従した諸士に多い。秋田の佐竹氏の家臣も同様に古文書を多く伝えていたが、岡本氏のものは散逸してしまった。茂木真壁両氏のものには鎌倉時代以来の古文書が伝わっている。