僧綱所から出した文書は、悉く牒

僧綱所から出した文書は、悉く牒。公式令移式の条に、同所から諸司に出す文書は、移式に準じてただ「移」という文字を「牒」に代えよとある。〔四二〕は、僧綱所→東大寺、〔四三〕は、大和弘福寺→僧綱所、同寺領の田畠の注進で「僧綱、依三綱牒」以下は、僧綱がこの注進に依って弘福寺が寺田を伝領することを裁定した旨を記したものである。

また、官寺においては、その伽藍の縁起ならびに資財を、僧綱所に注進すべきであり、この注進の文書が牒の書式を採っている。奈良時代から平安時代中期にわたり、諸寺から出したものが伝わっている。これを寺院の縁起資財帳と称した。寺院史研究上重要な資料となるものである。とのことです。