近代絶えて奉らず

〔五一〕僧教演→写経所 書き出しが牒云々とあり、公式令の示すところにより近似した書式を具えている。

〔五二〕台記に載せてある藤原頼長の暇文、公式令の牒式と極めて似ている。本文中には出ないが、蔵人所に奉ったものである。台記には、暇文は近代絶えて奉らずとある。牒が暇文に限ったわけではないので、牒式が近代絶えていたと見ることはできないが、他に僅かの例をも発見しえないから、恐らくこのころにはすでに牒式の文書は廃れていたのであろう。とのことです。