大書、壹、貳、參、肆、伍、陸、漆、捌、玖

第一五図の右端の部分は、戸籍一巻の表題である。当時の戸籍の外形をこれによってうかがうことができる。冒頭の廿二張の三字は別筆であるが、当時加えた筆跡と思われる。紙の量を呼ぶのに何枚といわず何張と言っている。

戸籍は正楷を以って謹書する定めであった。また当時の公文は数字は大書をもって書く定めであった。大書とは、

一、二、三、四、五、六、七、八、九 と書かず、

壹、貳、參、肆、伍、陸、漆、捌、玖 と書くことをいう。

今日では肆以上は通用していない。この大書の中、肆以上にしてあるものは室町時代まで通用している。とのことです。