伝戒師、戒壇堂達、綱所の所司、玄蕃寮、治部省の官人が登場する戒牒

右の文書の形式を見るに、興福寺の壹賢以下十師を伝戒師として挙げ、次に戒を受けんとする沙弥稽首和南から日附、その日下に署名を加えたところ迄で、戒を受けんとする意志を述べて之を戒師に乞う書式となり、次に伝戒師の筆頭一人并に戒壇堂達、綱所の所司玄蕃寮及び治部省の官人が位署を加える書式となっている。即ち戒を受けんとする沙弥が戒師に受戒を乞い戒師が之を許し、并に受戒の事務に携わるものが、之を証する為めに位署を連ねる形式の文書である。とのことです。