室町時代小乗戒の戒牒は大乗戒の戒牒と類似

この小乗戒の戒牒は平安時代鎌倉時代との間に、形式に大体相違は無いが、室町時代のものは、右のものと稍形式を異にしている。即ち〔二一二〕に挙げた醍醐寺三宝院にある沙門宗忠の戒牒がそれである。この形式は後に述べる大乗戒の戒牒の様式を取り入れている。伝戒師の名の下に奉請為和上と書いているのは、大乗戒牒に「奉諸霊山浄土釋迦牟尼如来應正等覚為菩薩戒和上」と類似した書式である。とのことです。