書札様文書を時代に分けて取り上げる

かような次第であるから、本項に於いては、書札礼の著しく現れて来た以前、即ち奈良時代の書札から、平安時代の中期に於ける書札を一段に、次に平安時代末期からその後の時代の書札を一段に纏めて記述する。而して平安時代末期以後、書札礼中心時代の書札を説くに、便宜之を二篇に分ける。其の一は、直状と奉書とが、何れも公私両様に亙って発展して来たものを各種類に分けて、次第して排列し、この種文書を具体的に通観することとする。他の一つは、書札様文書の中から種々の書式を能う限り蒐めて、その形式に現れた礼法を知ることとする。とのことです。