奈良時代の切封

第四式

(略)

この文書は、安都雄足が、支払いの代に使用する米として黒米、大豆、小豆を借り受け、これが返済の期日等を、貸主に約するために出した啓である。この書式の特徴は、差出所が日附の下にある点にある。なお、又云々からは追而書に当る。端裏に切封とあるは、この文書を左から巻いて、右に巻き止めて、料紙の右端を細く紙紐に切って、これを紐として巻き、その上に封じ目を加えた跡である。これが文書の封式に於ける切封と称する式である。この式が右の文書に見るが如く、既に奈良時代から行われていたのである。この点に就いても、この文書は古文書学上重要な資料となるのである。とのことです。