日付の次行上部に充所のある啓

第一一式

(略)

この文書は、坤宮官(即ち皇后宮職)の下級の官位安宿弟見が、東大寺に向け、大般若経を書写する写経生に加えられんことを請うために出した啓である。書式の特徴としては、始めに差出所があって、日附の下に之が無く、日附の次行上部に充所のある点を知る。この書式のものは、きわめてその例が少ない。なお封の上書を別紙に書き、切封が加えてあるが、この別紙こそ、後の書札礼時代の封式を考える上に実に貴重な資料となる。右に挙げた他に〔二四四〕の如きもある。充所の表し方は、偶々上所と充所との訓み方を示している。これ又注目に値する資料である。とのことです。

 

偶々上所と充所との訓み方を示している。の部分の意味が分かりませんでした。