充所、実名の下に尊

次に充所の名は如何に表してあるか。その実例に就いて見ると、第一には、実名とも云うべきものを記している。前段に引用した石麻呂、道守の両句は、氏姓では無く明らかに後世の実名諱に当たるものである。すなわちこの下に尊と云う言葉は一種の敬語であるが、之が副えてある。なお他の例を云えば、乙万呂尊、吉成尊、男黒尊、小黒尊の如きがある。かかる例は可成り多数に達している。とのことです。