上下厚薄の度合を判然と認めることが出来ない

終わりに以上列記した総べての例文を綜合して観察するに、鄭重さを表す厚薄に依って、種々の例文が多くなり少なくなっていることが認められる。乍然中世の書札礼の如く、例文の表し方相互の間に判然と現れている慣習の如きものを求めることは出来ない。本文書止めが此言葉なれば、上所が付いて而もそれが何に、又脇付は何にと云うような一定の規式を発見することが出来ない。大体の慣習は右に述べた如くであっても、上下厚薄の度合を判然と認めることが出来ない。非常に区々たる書き表し方であったのである。とのことです。