三合之厄運、両度之変異

第一類 宸筆御消息・御書 御筆御消息・御書

(略)

この文書は後嵯峨天皇が寛元四年四月十五日、仁和寺御室の道深法親王に賜った宸筆の御消息である。御文中「三合之厄運」とあるは、寛元三年に当たり、「両度之変異」とは、同年正月廿六日客星東南に現れ、三月彗星室壁の間に現れたことを申す。かかる厄運の歳に当たり、且つ両度の天変があったので、道深法親王をして禁裏にて孔雀経法を修せしめ、この変異を祈祷せしめられ、その法験に依って天下事無きことを得た、その効験を謝せられるために賜ったものである。御本文書止めに「謹言」と結ばれ、日附を付けさせられたのは、受けさせられた方が、後堀河天皇の皇弟にましますためと拝される。とのことです。