天台座主堯尊法親王から長尾景虎へ

天台座主にまします法親王の出された御書状の一例を挙げると、〔二六五〕の如きがある。天文廿二年四月廿日堯尊法親王が、越後の長尾景虎に、山門の大講堂造立の勧進に尽力せんことを促さるるために下されたものである。本紙礼紙二枚檀紙にて調えられ、御本文書止めに「如件」と結び、充所を具え、地下の豪族に賜った御書としては、鄭重な御書礼をとらせられているものと拝し奉る。とのことです。