原本最古、後冷泉天皇の綸旨

原本として伝わる綸旨は、前掲図版醍醐寺所蔵天喜二年の後冷泉天皇の綸旨であり、又宿紙に書いた綸旨の初見としては、同じく醍醐寺所蔵〔二六七〕崇徳天皇の〔天承元年〕二月二日夜居護持僧の綸旨である。之に次ぐものとして東大寺東南院に伝わった〔二六八〕近衛天皇の〔康治元年〕十二月十五日附の綸旨があるが、同じく料紙に宿紙を用いている。これらの綸旨の書止めは、之を悉せ謹みて言す、或いは状すと読むのである。之を悉せとは、前出後一条天皇の綸旨の書止めにある、一を以て萬を察せよと同じ意味と思われる。とのことです。