勘奏或いは注進状

而して訴訟の場合には評議決定した結果を諸官連署にて文書を作り上奏する。之が評定文である。之を勘奏或いは注進状等とも云っている。之に依って院が御裁可あらせらるると、評定文の内容を院宣に書いて下さるるのである。院宣にして訴訟の裁決を伝えているものは、かような手続きを経たものと見るべきである。然るに相論の対象となった所領が、前記の如く京都の内にあると、院宣に代わって、検非違使別当宣と同じ判官の施行状とに依って、裁決が伝達されたもののようである。かような検非違使に関した文書は、検非違使の職務或いは当時の裁判制度を考える上に極めて大切な資料である。とのことです。