泰時と時房、日下に泰時

泰時は時房よりも地位が高いように思われるにも拘わらず、泰時が日下に位署を加えている。これは後世の書札礼から申すと、異例であるが、実は然らずして矢張書礼に叶っている。当時泰時は正五位下であったが、時房は従四位下であった。この位階の上下に依って、下の者が日下に位署を加えたのである。右の文書に依って、既に連署状の早い例に於いて連署の順序は正しく位階の上下に依って次第していたことが判る。即ちかかるところから、後の書札礼に日下に位署を加える者が地位が低いということが起こって来たと見るべきであろう。とのことです。