安王丸の切紙の感状

次に〔三七九〕は、永享十二年七月八日、持氏の遺児安王丸が、前記の如く、下総結城に拠って公方家の挽回を図った、其合戦に於ける陸奥の石河中務少輔の戦功を賞するために出した感状である。その料紙は、縦三寸五厘、横三寸五分の極めて小形の切紙を用いている。感状にはかように切紙に書いたものが多くある。戦争の継続中に出すから、時に陣中に於いて授与することもあるので、かく切紙を用いて送致授受に便利を図ったものと思われる。とのことです。