折紙は近世に及び用いられる場合が多くなった

本文の書止めは、「如件」に限らず、〔四〇二〕に挙げたものの如く「恐々謹言」で結んでいるものも、その料紙が折紙であると、折紙と称するのである。

 この折紙は、次第にその用いられる場合が多くなった。戦国時代の末期から、近世江戸時代に及び、大名殊にそれに仕えた年寄、奉行等から折紙と名付くべき文書を多くだしている。〔四〇三〕は、天正十六年九月九日、豊臣氏の奉行前田玄以の出した折紙、〔四〇四〕は、慶長十八年八月廿二日、京都所司代板倉勝重が出した折紙である。とのことです。