河内守楠木正行の書状、年号は受取者が附記

(略)

この文書は河内守楠木正行が、同国観心寺の鎮守社の焼失を見舞い、神体は火中ぬ時であったことを奇瑞として喜び、事の次第を奏聞すべき由を、同寺々僧に伝えたものである。日附の上にある興国五は、授受の後、受取者が之を附記したものである。かような書札の体裁では、概して文書を作る側でかかる紀年を書くことは無いものである。先づ本文と墨色の相違に注意しなければならぬ。とのことです。