2024-07-24 女性の出した印判状 尚婦人の方から出した印判状は、後項に図版を掲げて説明してあるが、ここに少しく特別な事情から、差出者側に婦人の関係した印判状の一例を挙げる。〔五一六〕は、天正六年八月吉日附の印判状で、日下に方形重郭印文「親隆」とある黒印が捺してある。親隆は陸奥岩城氏で、明らかに男子であるが、本名は仮名で書いていある。之は親隆が病身であった為、その夫人佐竹氏が代って政務を執っていたので、印は当主のものを捺して、本文を仮名書きに記したのであると云う。(岩城文書中山信名註記参照。)とのことです。