差出所「右大臣兼右近衛大将平朝臣」という極めて鄭重な書礼

 ほ式 日附が年月日から成り、差出所官氏姓印、充所を具えないもの

この形式は〔五六四〕に挙げた信長の印判状に見えるもので、他にその例が無い。この印判状は、天正五年十一月廿七日、山城松尾社の神主等に対して、社領安堵のために出したものである。位署の下に捺した印は、降り龍二頭を以て「天下布武」の四字を囲んだ、従前の楕円形の印よりも更に威厳を備えたものである。その差出所は極めて鄭重な書礼であり、かようなものは、他にその例を見ない。この印が特に大切なものであったことが之に依ってわかる。とのことです。