J は、Jesus.  H はHominum.  S は   Salvator の各頭字、「人類の救世主耶蘇」の意味

〔五八〇〕に挙げた文書はその一例である。印文 J は、Jesus.  H はHominum.  S は   Salvator の各頭字であって、即ち「人類の救世主耶蘇」の意味を表現したものである。なお肥後人吉の相良家文書の中に、天正年間当時吉利支丹の伝道師とし渡来した備慈多道留と申す者が、相良義陽に送った書状に、この宗麟の朱印より少し大きく大体同じ形様で、十字架を具え印文を同じくした黒印が捺してある。当時かような印が、相当広く用いられていたと見るべきであろう。とのことです。