長尾為景の道号張恕の下に花押を据え、その花押の上に朱印が捺してある

この部類に入る印判状を図版に示すと、上の如きものがある。

(略)

張恕とは長尾為景道号、為景が中條新七郎に、味方に帰したのでその本領を安堵し、更に忠心を抽づれば、褒賞あるべきことを告げたものである。張恕の下に花押を据え、その花押の上に朱印が捺してある。為景が天文初頭に用いた朱印で、印文は明らかに致し難いが、禅僧の私印と全く形様を同じくしている。先にも述べた如く、為景は他に黒印も一つ用いている。それとこれと使用の前後は明らかでない。とのことです。