印文以外に動物等絵画を交えたのは我が国独特のもの

抑印の使用は支那から渡来したものであり、この新しい印も鎌倉時代に於ける支那の新しい印に始まるもので、この新しい印が室町時代に盛んになり、種々の点に於いて相違するところが現れている。殊に印影の形態に於いて、印文以外に動物等絵画を交えたのは、我が国独特のものと云うことができる。かかる特色を具えた印の最も盛んに用いられたのが、天文永禄年間であった。次いで永禄の末年から天正の初頭が、印の最盛期であった。従ってこの最盛期に及ぶ頃、印影の形様に特色を最もよく発揮したのである。とのことです。