次に表の料紙には高檀紙、即ち最も上品の紙を用いるのが通例である。二枚に表状を記し、之に裏紙を加え、更に二枚を懸紙として包み懸け、その上に又一枚を巻くのである。之を五紙の礼と申して、文書料紙の儀礼としては最も鄭重なものであった。なおこの表状は箱に入れ、更にその上を料紙を以て包んで、差し上ぐるのである。草案は大抵菅家と文章の道に携っている者が作り、清書は世尊寺家の人々等能書のものが書く定めであり、その作成には一定した儀礼があった。要するに、表は儀礼上重ずべきものであったが故に、その作成の上にも至極鄭重な作法を尽くしたのである。とのことです。