第七類 勘奏 評定文
官庁に於いて官人寄人が、諸事を議し、その結果を注記して上申する文書を勘奏、評定文、若しくは注進とも云う。
(略)
院政が行われていた時、院中に於いて訴訟に関し券契即ち証文の審理を致し、之を如何に裁定すべきかを議する機関を文殿と称した。その官人には明法家が任ぜられていた。ここに挙げた図版は後宇多法皇の院政の折、千鶴丸松鶴丸と申す両人が、京都北小路大宮家地に関して相論即ち訴訟を致したので、文殿の官人がその正文の真疑を審理し、如何に裁決すべきかと云う意見を上申するために出した文書で、端裏書に之を評定文と記している。とのことです。