2025-01-26 券契所の審理の結果を注進した勘奏で今に伝わるものは極めて少ない かかる券契証文の審理を司る機関の始めは、かの後三条天皇御代に創置した記録庄園券契所にある。券契所は庄園の文書の正否を審査するをその主なる任務としていたが、審理の結果を注進した文書は、奏聞を経べきものであったから、之を勘奏と称した。当時の勘奏として伝わるものは極めて少なく、僅かに東大寺文書の中に一通あるが、破損甚だしく文字の欠落多くして、ここに実例として挙ぐるに堪えないものである。なお探索したならば完備したものがあるかも知れないが、その望みは殆ど無いと云ってよい。とのことです。