役所に限らず各方面で用いられた解の書式をとった文書を当時解状、解文、申状、申文と称した

 第一〇類 申状 申文 解文

解と云う文書は、公式令の定むる如く、直属関係にある下位の役所から上位の役所に奉る文書のとるべき書式であり、且つ之が文書の名称でもあった。この解に就いては、既に其項に於いて記述した。この解の書式をとった文書が役所に関する文書に限らず、広く各方面に用いられることが、平安時代中期以後著しい現象となった。国衙に関するものは申すに及ばず、社寺本所領家の庄園に関する文書にも多く用いられた。当時解と云うよりは寧ろ解状、解文と呼び、又事を申し上ぐると云う鄭重な意味から、そのまま申状、申文とも称した。とのことです。