請文は返事であるから充所は判っているので充所を欠く

次に書札式に書いたものを挙げると、左の如きものがある。

(略)

この文書は、関白藤原忠通が、兄前摂政忠実から或僧の法眼の叙位執奏の依頼を受け、之を諾せる由、なお、忠実のよりも申し上げたならば宜しからんとの旨を執次がれたき由を、忠実の側近の者に伝えるために出したものである。之は一種の返事であって、当時之を請文と称した。請文には充所を欠くのが通例である。返事であるから充所は当然判っているからである。とのことです。