異国征伐軍勢注進催促に対する請文の一例

次に武家の人々の請文一二を挙げる。

(略)

この文書は、前編に収めた八幡筥崎宮御神寶記の紙背となっているかの異国征伐軍勢注進催促に対する請文の一例である。当初御施行とは、肥後守護代(秋田泰盛の子盛宗)が幕府の命を施行した文書、それが到来したので、それに対して出した請文である。先度の催促に依り既に注進したが、再度注進せる由を述べている。さらに〔六六八〕はこの時同じく肥後国御家人菊池導空がこの催促に応じて出した請文の一例である。之には封紙が伴っている。本文に充所を欠き、封紙も同様となっている。充所の無い請文に就いて、その封紙の形式を見るべきよい例である。とのことです。