四 第二十類 渡状 打渡状
所領を人に渡付すべき命を受けた人が、之を其人に渡付した由を、返事として申すために作る文書を渡状若しくは打渡状と云う。前第三部に於いて既に述べた施行状遵行状に応じて、地元に於いて使者、若しくは地元の沙汰人が出す文書が之である。〔六八一〕はこの打渡状の一例。暦応二(延元四)年三月廿三日、法眼行慶と申す者等が、國魂行泰に陸奥岩城郡國魂村の田畠在家等を渡付した報告書である。そこに渡付した所領が、八幡降人の所領半分と書いてあるのは、当時降参した者は、従前所持した所領の半分を没収される規定であったからである。とのことです。