(略)
この文書は、京都六波羅探題北条重時が、安芸厳島社から巻数を送ったのに対して出した返事である。料紙は折紙を用いている。〔六八四〕は、貞永二年四月、鎌倉幕府の執権北条泰時連署同時房の両人が、東大寺の大般若転読の巻数を送れるに答えるために出した返事である。返事であるから、この文書の如く充所を具えていないものもある。巻数の返事は折紙とは限らず、これは竪紙を用いている。
この返事は時に巻数の請取とも申している。返事請取と云っても、書札式で書いてあるから書状と申しても差し支えないが、唯漠然としている不便がある。とのことです。