次に〔六八五〕も右と同じ書式の返事である。之は(享徳三年頃)室町幕府の管領細川勝元が東寺の祈祷せる巻数に対して出した返事である。東寺から毎月その月の巻数を一一送っていたので、勝元からも大抵月の廿日に返事を出している。之を受け取った東寺では、一年分のものを正月から十二月と次第して一巻に継いで保存している。ここに示したのは、正月から十二月までの十二通であるが、文章は何れも大同小異で、時に同文のものおある。内容に史実は殆ど求め得ないが、かかる祈祷を毎月毎年繰り返していた当時の状況を知ることができる。とのことです。