亀山天皇の御息災延命并に敵国怨敵の降伏の祈祷の巻数

 第二四類 巻数

寺院に於いて祈祷或いは護摩を修したる後、これが印を願主に示すために作る文書を巻数と云う。

〔六九六〕は仁平四(久寿元)年正月十四日から二七日、公家の御為めに愛染王法を修した時奉った巻数の案である。解の式の文書となっている。之を図版で示すと上の如きものがある。

(略)

この巻数は山城賀茂正傳寺の慧安(東巖)が、今上皇帝即ち亀山天皇の御息災延命并に敵国怨敵の降伏を祈請するために修した祈祷の巻数である。正文は朝廷に上り、これは恐らく正傳寺に留めた案であろう。とのことです。