封紙の欄の「無」「(不明)」について

右に九つの部分を挙げたが、今日に伝わる書札様の文書は、悉くもとのままの完形で伝わっているのでは無く、中には封を加えた料紙即ち封紙を失っているものがある。表の中封紙の欄で「無」と記してあるのは、本体の方には差出所が書いてあるが、封紙があっても而もそれに差出所が書いてない意味を、又(不明)とあるのは、右に述べた如く、封紙があった筈であるが、今日では散逸して、その上書を明らかに致し難いことを表したものである。