北方時敦が死没して後任者が決まっていない時期の文書

第二種 鎌倉武家御教書

い 御教書

(略)

この文書は、六波羅から安芸国御家人兒玉七郎に、海上警固の結番(順番)に関して命を伝えたものである。差出所は南方陸奥守惟貞一人の署判となっているが、この年五月廿四日北方の時敦が死没して後任者が定まっていなかったからである。本文書止めは、「仍執達如件」とあるが、仰せを承ったという文言は無い。即ち探題が直ちに出す形式の文書である。六波羅からはこの形式のもの計り出し、奉書の式のものを出していない。とのことです。