従来信玄の勢力の向上と、龍の頭の上昇とが歩調を合わせるとされてきた

扨て書出しに捺してある龍の朱印は、径二寸一分正圓重郭で、中に昇龍の形像が表してある。この昇龍の形像には年代に依って変化があり、信玄の勢力が向上するに伴って、龍の頭が漸次上昇しているもののように、従来説かれている。この説明に依ると、随時印を改刻して、信玄の勢力の向上と、龍の頭の上昇とが歩調を合わせているかの如くに思われる。然し事実に於いては、右の説明にはさまで意味があるものではない。とのkとです。