時代が遅くなると現れる官名の上の二字をとった略し方

この越前朝倉家の老臣山崎吉家朝倉景連の連署状は、永禄八年のもので、かかる書式のものとして管見に於ける最も早い例である。かような略書の実例は、天正年間の文書から多く現れている。〔二〕の如き「小」は「小早川」を、「又四」は仮名「又四郎」を略したものである。〔三〕も之の例に入る。唯略し方に、苗字は一字に略しているが、官名は下の一字を略し上の二字をとっている。かような略し方が、先の略し方よりも、時が後れて現れている。とのことです。