鎌倉時代に見える捻封

之は本紙一枚を左端から巻いて右に巻き止めて、その巻き畳んだ上部を、先の日蓮の書状の如く捻って封を加えたものである。之は本紙一枚の場合の捻封である。かような実例に依って、鎌倉時代の中期に、既に捻封の行われていたことは明らかである。かように本文を書いた料紙に直ちに封を加えたものは、既に述べた奈良時代に於ける啓、状に見る切封がそれであった。然しその封式は切封であった。この捻封と云うのは、先づ鎌倉時代のものから見えているのである。とのことです。