旧来の折紙と新しい特殊な封式との混合した形式

尚これに類似して、多少相違した点を具えたものがあり、又上の図版に示すが如く、折紙とこの特別な封式とが混合したもの等数種ある。

(略)

この文書は、(天正十二年)五月五日、伊勢長島城に居った織田信雄から、尾張竹鼻の不破源六広綱に充てたもの、先づ折紙に本文を書き、書き終えてこの折紙を広げ、更に横に内側に二筋に折り込み、右端から縦に裏面に向けて折って、左端に巻き止めて、そこに封の表「不源六殿 信雄」と書いて封じ目を加えたものである。即ち折紙にかいているが、さて封をする段になって、前記特殊な横ノ内折を行い、之に適応した又特殊の封式をとっているのである。謂わば旧来の折紙と新しい特殊な封式との混合した形式を具えていると見るべきである。とのことです。