史料として役立つ書状

終わりに信長と秀吉との将来を予言して、信長五年三年はもつが急に仆れて、其の後は秀吉が天下に威権を振るうであろうと書いてある。之から十年後本能寺変や其の後に於ける秀吉の地位を的確に予想しており、恵瓊の炯眼を見るに足るものがある。かような史実を始めとして、当時に於ける信長を中心にした豪族間の関係を見るべき事実が多く書いてあり、実に貴重な史料である。かかる書状が如何に史料として役立つか、よい標本に挙げることができる。とのことです。