差出者が直接出すものと上位の者の意を承けて出すものの二様

更にこの書札様の文書は、文書を差出す人の地位に依って、差出者が直接その文書を出す形式と、差出者として文書に現れる者が、その上位に居る者の意を承けて出す形式との二様に分かれている。例えば、

 去十月、城山要害落居、誠目出候、恐々謹言、

  (嘉吉元年)九月十四日

  小早川太郎殿

この文書は、管領細川持之が、小早川凞平の播磨の赤松満祐等討伐に於ける、城山要害攻落の戦功を褒するために出した感状である。之は持之が直接凞平に向けて出したものである。とのことです。