料紙は檀紙

豊大閤真蹟集解説に依ると、慶長十二三年の頃のものであると云う。さすれば淀殿四十一二歳の折の筆蹟っだる。料紙は檀紙、折紙に調えてある。先に挙げた秀吉うえの書状ももとは折紙である。図版に見る如く、上下両段になっているのは、表装するときに折目をきって、両片上下から文字を眺め得るように、原形を変えたものである。巻子幅物に仕立てると、観照が主眼となってもとの形様を変えるのが通例である。かかる時には、もとの形をよく知って、然る上で之を観察するように致さねばならぬ。とのことです。