最も疎略な書礼「とのへ」

殿を真書に書くのが至極の鄭重さを示し、行書草書と次第に略儀になり、仮名で「とのへ」と書くのは最も疎略の書礼とされているのである。尤も女子の消息、若しくは女人充のものには、本文が多く仮名書であるから、従って「とのへ」と仮名で書くのが通例である。男子の書状の間に於いて、「とのへ」と書くのに意義が現れているのである。とのことです。